JR東日本、KDDI、国際ハイヤーの三社が共同で、東京都港区高輪地区においてオンデマンドモビリティ「みなのり」の実証運行を開始する。本実証運行は、2024年11月1日から2025年9月30日まで、既存の交通手段では十分にカバーされていないエリアに対し、効率的な移動サービスを提供することを目的としている。
「みなのり」はAIによるオンデマンドシステムを活用し、利用者が希望する乗降スポット間を最適なルートで移動できる乗合サービスである。特に高輪地区は東西方向の交通手段が不十分であり、狭い道幅や急勾配の多く、地形的な課題が存在している。本サービスにより、これらの課題に対処し、地域住民や訪問者にとってより利便性の高い移動手段を提供することが期待されている。
(出典:JR東日本)
この実証運行は、国土交通省が公募した「令和6年度 共創・MaaS 実証プロジェクト」に採択されたものであり、港区とも連携して実施される。運行エリアは高輪地区総合支所を中心とする半径2km以内で、約20か所の乗降スポットが設置される。運行時間は8:00から20:00までを予定しており、利用者は専用のスマートフォンアプリを使って予約ができる。AIを活用したシステムにより、道路状況や他の利用者の移動リクエストを考慮した最適なルートが提供され、効率的な移動が実現する。料金はワンタイムで小学生が250円、大人が500円である。
この実証運行は、都市部の交通課題を解決するだけでなく、地域経済の活性化や環境への配慮にも貢献する。また、2025年3月に予定されている「TAKANAWA GATEWAY CITY」のまちびらきと連動し、周辺地域の商店や観光地へのアクセスを向上させ、高輪地区全体の回遊性や利便性を高める狙いがある。高輪地区における新しい交通サービスとして、今後の展開が注目される。