(出典:WHILL株式会社)
WHILL株式会社は、羽田空港第1ターミナル1階において、近距離モビリティWHILL(ウィル)の貸出サービスを開始したと発表した。本取り組みはNPO法人バリアフリーネットワーク会議との連携事業の一環であり、那覇空港や福岡空港、新石垣空港などに続く展開となる。免許不要で歩行領域を走行可能な電動モビリティを導入することで、多様化する旅行者の移動を支援し、誰もが快適に旅を楽しめる環境づくりに寄与する。
(出典:WHILL株式会社)
ユニバーサルツーリズム市場は高齢化を背景に拡大を続けており、4,000万人規模の潜在需要があると試算されている。特にシニア層は旅行消費額が平均より高く、今後の観光産業において大きな存在感を持つ。また旺盛なインバウンド需要も加わり、2024年に福岡や那覇空港でサービスが始まって以降は海外旅行者からの利用も急増した。旅行期間中に「最後まで快適に移動できた」「家族と一緒に楽しめた」といった好評の声が寄せられ、アクセシビリティ環境整備の必要性が一層高まっている。
羽田空港ではすでに、自動運転機能を活用し搭乗ゲートまで移動できるWHILL自動運転サービスが運用されており、世界的評価機関SKYTAX社による「World’s Best PRM / Accessible Facilities」で1位を獲得するなど、国際的にも高い評価を受けている。今回の常設貸出サービスは、その実績をさらに拡充するものといえる。
貸出モデルには折りたたみが可能な「WHILL Model F」が採用されており、車載もしやすくレンタカーや公共交通との組み合わせ利用にも対応する。羽田空港の新設カウンターで提供され、利用者は日常的に車椅子を使用しないものの長距離歩行が困難な方や、体力に不安を抱える高齢者など、幅広い層が対象となる。高いデザイン性と直感的な操作性により、観光地でも自然に馴染み、安心して移動できるのが特徴である。
WHILL社は今後もバリアフリーネットワーク会議をはじめとする関係機関と連携し、空港や観光地など多様な場面における導入を進め、誰もが自由に移動できる社会の実現を目指す。羽田空港での常設化は、国内外の旅行者にとって利便性を高めるだけでなく、日本全体のユニバーサルツーリズム推進にとっても重要な一歩である。