沖縄県西表島島の西表島交通は、運営する「やまねこレンタカー」の車両において、クラウド型の運行記録計を取り付けることを決めた。
これは、同島に生息する特別天然記念物イリオモテヤマネコの交通事故をなくすことを目的に実施される。現在は絶滅危惧種にも指定されているイリオモテヤマネコ。主な減少の原因は交通事故とも言われている。
同社では3月から運行記録計取り付けの実証実験を実施している。5月からはイリオモテヤマネコの頻出ポイントや速度の出やすい場所に近づくと音声でドライバーへ注意を促す警告を発し、速度を落とすなど行動変化が起きるかどうかの実験も開始した。6月から順次、所有する60台全てに搭載していく予定。
レンタカーに取り付けられるのは、バスやトラックに装着するデジタル式の運行記録計。自動車運転時の速度や走行時間、走行距離などの情報が記録される。前方後方が撮影できるドライブレコーダーのほか、ネットワークにも対応しており、リアルタイムで運転データが取得できる。ヤマネコの目撃情報が多いエリアの情報提供などは、環境省西表自然保護官事務所が協力し、クラウド経由で出現傾向が高まっているエリア情報や注意点などの入力を随時行う。
この取り組みは個人が特定できないように配慮され、プライバシー保護のため録音なども行われない。蓄積した運転情報などは専門家が分析の上、路上への注意喚起の看板設置やレンタカー貸出時の案内に活用される予定。
また、音声案内は運転上の注意だけではなく、位置情報に基づいた観光情報などのアナウンスも検討されている。さらに、運転評価が100点だった人には記念品プレゼントも行う予定。島のドライブや観光を楽しみながら安全運転を実現できる仕組みと言える。
同社のレンタカー予約や詳細の情報確認は、公式HP（https://iriomote.com/top/）から可能。