(出典:ソシオークホールディングス株式会社)
みつばモビリティ株式会社は、2025年7月1日より、静岡県小山町にて「公共ライドシェア」「デマンドバス」「巡回バス」の3種類の公共交通サービスの運行を一括受託し、サービス提供を開始した。地域の交通空白問題や高齢化による移動手段の確保といった課題に対し、同社のノウハウを活かした持続可能な移動手段を提供することで、小山町の公共交通を包括的に担うモデルケースとなる。
小山町ではこれまで、地域住民の移動ニーズに応えるべく巡回バスやデマンドバスを導入してきたが、運転手不足や利用状況の偏りにより、従来の方式では維持が困難であった。こうした背景のもと、利便性と効率性を両立した新たな地域交通モデルの構築が求められていた。
今回の取り組みでは、AIによるマッチング機能を備えた公共ライドシェアに加え、予約型のデマンドバス、定時定路線の巡回バスという3本柱で、多様なニーズに対応する構成となっている。ライドシェアはDoor to Doorの運行が特徴で、スマートフォンアプリや電話での予約に対応しており、高齢者にも使いやすい設計となっている。
一方、デマンドバスは292カ所のバス停を自由に組み合わせて移動でき、効率的なルート設定が可能。巡回バスは4路線を運行し、誰でも無料で利用できる日常的な足として機能する。
出発式では、小山町の込山町長が「公共交通の3点セットが揃い、町民の活動がより活発になることを期待している」と述べ、みつばモビリティの浜地社長は「交通空白地の解決に向けた持続可能な第一歩」と語った。
みつばモビリティは、過去に全国18自治体でモビリティ実証実験に参画しており、地域特性に即した提案力と運行管理体制を強みに持つ。今後も同社は、小山町での取り組みを全国の自治体に展開し、誰もが安心して移動できる社会の実現を目指す。