(出典:JR東日本スタートアップ株式会社)
JR東日本スタートアップ株式会社と株式会社NearMeは、2025年6月6日より、JR三鷹駅を起点とする深夜帯の新たな交通サービス「ミッドナイトシャトル三鷹」の実証実験を開始した。終電後の移動ニーズに応え、地域住民の交通利便性を高めるとともに、タクシー需要の創出や鉄道利用促進による駅の価値向上を目指す取り組みである。
(出典:JR東日本スタートアップ株式会社)
このサービスは、終電後の24時から25時30分の時間帯に、JR三鷹駅から高尾駅周辺までの西方向および南方向へ向かうシャトル型の移動手段を提供するものである。1台につき最大3名の乗車が可能で、NearMeの予約サイトにて事前登録を行うことで、クレジットカード決済による利用が可能となる。運賃は距離とシェア人数に応じて変動し、通常のタクシー料金と比べて最大半額となることもある。
本取り組みは、夜間の公共交通が手薄な時間帯において、利用者が安心・快適に帰路につける移動環境の整備を目的としている。特に近年、運転手不足や終バスの減便により、夜間の移動手段が著しく限定される地域も少なくない。そのような背景の中、NearMeが展開してきた「エアポートシャトル」などのシェア乗りサービスの知見を活かし、鉄道会社および地域のタクシー事業者との連携によって持続可能な移動モデルの可能性が模索されている。
今回の「ミッドナイトシャトル三鷹」は、過去に西武池袋線沿線で運行された「ミッドナイトSシャトル」に続く取り組みであり、鉄道横断型社会実装コンソーシアム「JTOS」との共創事例でもある。今後は三鷹での実証結果をもとに、他地域への展開やサービスモデルの拡張が視野に入れられている。
夜間帯における移動体験の質を向上させ、利用者の選択肢を広げる本サービスは、鉄道駅の価値を再定義すると同時に、地域の交通インフラの持続可能性にも寄与するものである。