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株式会社J.D. パワー ジャパンは、2023年に日本における電気自動車(EV)の検討意向に関する調査結果を発表した。この調査は、新車購入を考える消費者を対象に、EVに関する意識や検討意向を調べるもので、同社による国内でのEV特化調査としては初めての実施だ。
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調査の結果、新車購入を検討している消費者の50%がEVを検討していることが明らかになった。この数字は、米国で行われた同様の調査(61%)に近いものの、日米の自動車販売におけるEVの占有率には大きな差があり、日本のEV市場には成長の余地が大きいことを示している。しかしながら、EVのみを検討している消費者はわずか4%に留まっている。
現在の車所有者の中で、次回購入車の検討車種にEVを選択する割合は、車の電動化度合いが高いほど増加する傾向が見られた。エンジン車の所有者では47%、ハイブリッド車の所有者では54%、プラグインハイブリッド車の所有者では72%、EVの所有者では77%という結果になった。
地域別に見ると、都会居住者や高所得層のEV検討率が高いことが分かった。特に関東地方では56%、東京23区では66%の検討率を記録している。また、世帯年収が600万円以上の層ではEV検討率が非検討率を上回っている。
EV検討者と非検討者の間で、走行距離にも違いが見られた。EV検討者は月間平均で880kmを走行しているのに対し、非検討者は973kmとなっている。また、充電インフラの問題は、特に地方居住者にとって重要な課題となっている。
性年代別に見ると、特に30-40代の男性がEV検討率が高く、彼らの取り込みがEV市場の成長に重要であることが示唆されている。また、EV検討者の大多数が自宅以外での充電を考えており、公共充電インフラの拡充がEV普及の鍵となる可能性がある。
この調査は、今後1年以内に新車購入を検討する18~74歳の一般消費者6,000人を対象に行われた。J.D. パワー ジャパンは、この調査を通じて、EV市場の普及に向けた課題や拡大へのキーファクターを探ることを目指している。