一般社団法人レンタカー協会では、2023年3月末時点での大手レンタカー会社7社の車両保有台数の調査結果を公表している。今回はこのデータをもとに、レンタカー業界の現状について簡単に紹介する。
交通毎日新聞社が調査したデータによれば、2023年3月末時点での大手7社のレンタカー保有台数は合計で313,282台。トップのトヨタレンタカーが125,558台、次いで2位のオリックスレンタカーが65,940台、3位のニッポンレンタカーが33,403台、4位のタイムズレンタカーが55,545台(※)、5位の日産レンタカーが20,429台、6位のジャパンレンタカーが8,675台、7位の三菱レンタカーが3,732台だった。
(※タイムズレンタカーはカーシェアの台数を含む。)
直近2年間での車両保有台数の推移を見ると、2022年から2023年の1年間で全社合計で8.3%増加した。その中でトヨタは13,783台増加し、一方で三菱は208台減少した。
車両の種類別では、乗用車の保有台数が最も多く、全社合計で193,070台となっている。貨物車は52,270台、マイクロ車は1,734台、その他の車両は10,663台である。乗用車の増加率は全体の増加率を上回り、11.0%の増加が見られた。その他の車両も7.0%増加したが、貨物車とマイクロ車はそれぞれ1.7%増、2.7%減と、比較的少ない増加または減少であった。
直近3年間の車両台数推移を見てみると、オリックスレンタカーと日産レンタカーは新型コロナウイルスの影響もあってか2022年には減車に踏み切ったが、2023年に回復傾向を見せている。
上記の情報から、乗用車の需要が高いこと、そして貨物車やマイクロ車の需要が相対的に低いことが確認できる。マイクロ車の需要低下については、新型コロナ感染症の影響で観光ツアーが減少したことが一因と思われる。乗用車については、他の車種に比べて増加しているものの、新型コロナウイルスの感染リスクが「5類」に落ち着いた2023年5月以降、旅行需要が回復傾向にあり、今夏も沖縄ではレンタカー不足が懸念されている。よって、今後も乗用車への需要増とともに車両台数は増加すると考えられる。