出典:トラストパーク
2023年における「車泊(くるまはく)・休憩駐車管理システム(RVパーク smart)」の利用状況は、コロナ前の10倍に相当する年間1万件超に達した。このシステムは、九州周遊観光活性化コンソーシアム(代表機関:トラストパーク株式会社)が提案し、宿泊施設や二次交通の不足している地域での人流創出を目的としている。
従来の「車中泊」という言葉には、宿泊できないときにやむを得ず泊まる、というイメージがあった。一方、「車泊」とは、車内での宿泊楽しむ、安らぎの場として自然豊かな地域過ごすことを目的としている。そのため、車中泊施設には電源や24時間利用可能なトイレが完備されており、さらに道の駅や公園、お城など、普段宿泊できない場所で泊まることができるという特徴がある。
出典:トラストパーク
2023年の車泊利用件数は10,566件(66施設/予約者6,613名)で、前年比で2,122件(11施設/1,808名)の増加を記録した。関東圏からの来訪者の増加が顕著であり、九州地方の観光に寄与している。
2023年の繁忙期は8月で、観光目的の利用が81%を占めている。また、レンタカー利用者は全体の10%、年間リピート率は31%であった。これは前年と大きな変動はない。
特に利用が多かった施設は「博多」と「天文館」で、博多は九州陸路の玄関口として本州方面からの来訪者が多い。また、利用回数が最も多かったのは北海道と福岡の在住者で、特に人吉球磨エリアへの利用が目立つ。
出典:トラストパーク
RVユーザーへの取材からは、故郷や昔住んでいた町への訪問が多く、安心安全に泊まることのできる場所の必要性が明らかになった。さらに、最近の旅行需要の回復に伴い、宿泊施設の価格が上昇していることや、キャンプブームもあり、車中泊に対する関心が高まっている。これらの動向から、今後も車泊の需要は高まるだろう。