出典:Polimill株式会社
超高齢社会を迎える日本において、高齢ドライバーによる事故の増加は深刻な社会問題となっている。この課題に取り組むため、社会デザインプラットフォームSurfvoteを展開するPolimill株式会社(ポリミル)は、「高齢者は何歳まで運転可能とすべきか」という問題を提起し、公開投票を通じて幅広い意見の収集を試みた。この活動は、超高齢社会に関する諸問題に詳しい斉藤徹氏によって主導された。
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Surfvoteにおける投票は、2023年11月29日から2024年1月31日まで実施され、62票の有効票が集まった。その結果、「運転免許の返納は本人の自由意志に基づくべき」との意見が29%、「技能試験や認知試験を厳密に実施し、返納を促すべき」との意見が30.6%となり、年齢基準に代わる個々の能力や認知機能の評価を重視する声が多くを占めた。また、特定の年齢での免許返納を支持する意見も19.4%と一定の割合で存在する。
この調査から得られた知見は、高齢者の運転免許に関する政策決定において重要な示唆を提供する。運転能力には個人差があることから、年齢だけではなく、技能や認知機能を評価することの重要性が浮き彫りになった。運転免許の返納を推進する際には、高齢者の生活の質を支える代替輸送手段の提供や割引などのサポートも必要とされている。
Polimill社は、SNSとテクノロジーを駆使して社会課題に対する意見交換の場を提供し、柔軟かつ迅速な制度改革の実現を目指している。高齢ドライバーに関する今回の調査結果は、政策提言に利用されることが予定されており、実情に即した運転免許制度の改善に向けた一歩となることが期待される。