(出典：WHILL株式会社)
つばめ交通株式会社と広島レンタカー株式会社は、WHILL株式会社が開発する近距離モビリティ「WHILL」を活用した移動サービスを2025年6月24日より広島県内で開始する。車椅子でも電動バイクでもない新しい乗り物WHILLは、免許不要で歩行領域を走行できる点が特長であり、歩きづらさを感じる旅行者や高齢者でも安心して移動できる手段として注目されている。タクシー・レンタカー業界による同サービスの提供は中国地方では初となる。
観光需要の高まりと高齢化の進行に伴い、広島県では移動環境のバリアフリー化が急務となっている。2024年には訪日外国人旅行消費額が過去最高の8.1兆円に達し、広島港のクルーズ船寄港数や宮島来島者数も最多を記録した。つばめ交通はこの機会に、観光地への送迎に加えてWHILLによるラストワンマイルのモビリティ支援を行い、快適な観光体験の提供を図る。
一方、広島レンタカーはWHILLをレンタカーとセットで貸し出す日常向けのサービスを展開する。「目的地に着いた後も自分のペースで移動したい」「高齢の家族と一緒に出かけたい」といったニーズに応えるもので、体力や歩行能力に不安のある利用者の選択肢を広げる。
(出典：WHILL株式会社)
両社で導入されるWHILLは、安定性に優れた「Model C2」と折りたたみ可能で携帯性に優れた「Model F」の2種類である。時速は歩行と同程度で、簡単な操作と快適な乗り心地が特徴だ。利用条件は体重115kg以下であることや、着座時に足が足置きにつくことなどで、安全性にも配慮されている。
観光から日常までをカバーするこの取り組みは、移動の自由を誰にでも保障する社会の実現に向けた大きな一歩であり、多様なライフスタイルを受け入れる広島の新たな魅力となるであろう。