(出典:WHILL株式会社)
公益財団法人宮崎県観光協会とWHILL株式会社は、ユニバーサルツーリズム推進の一環として、宮崎空港における近距離モビリティ「WHILL(ウィル)」のレンタルサービスを2025年8月1日より開始すると発表した。免許不要で歩行領域を走行できるWHILLを空港から直接利用できる環境を整えることで、県内観光における移動の利便性を高め、多様な来訪者の滞在満足度向上を図るものである。
(出典:WHILL株式会社)
高齢化の進行や多様化する旅行ニーズ、さらには旺盛なインバウンド需要を背景に、旅行市場は変化を続けている。移動に不安を抱える人々は依然として多く、もし不便が解消されれば市場規模は約1.5倍に拡大するとされる。観光庁の調査でも、国外からの観光客数は増加基調にあり、バリアフリーや合理的配慮を求める声は年々強まっている。こうした環境下で、アクセシビリティを確保する取り組みは急務といえる。
宮崎県観光協会では、すでに宮崎空港からベビーカーや車いすを借りられる「ベビーカー・車いすレンタル事業」を2024年より展開し、滞在中に継続利用できる利便性が好評を博してきた。今回新たに導入されるWHILLは、普段は車いすを利用しないが長距離歩行に不安を抱える人や高齢者など、多様な利用者に適した選択肢を提供する。
レンタルに採用される「WHILL Model F」は折りたたみが可能で、車載や持ち運びが容易である。徒歩と同じ速度で走行できるため、観光地の散策や移動を自然な形でサポートする。さらに洗練されたデザインは景観にも馴染み、観光体験を阻害しない点も特長である。
利用者は空港1階の「手ぶら観光サービス」カウンターで手続きを行い、1日税込2,000円でレンタルできる。事前予約にも対応し、空きがあれば当日受付も可能である。台数に限りがあるため予約推奨ではあるが、観光地やレンタカー移動と組み合わせて活用することで、宮崎観光の楽しみ方はさらに広がるだろう。
宮崎県観光協会とWHILLは、今後も県内の関係者と連携し、すべての人にとって快適な観光環境を実現する取り組みを進めていく方針である。ユニバーサルツーリズムの推進は、地域観光の持続的成長にも直結する施策といえる。