3月21日、山形市の東北芸術工科大学は、学生や職員専用のカーシェアリングサービス「NETZ GO(ネッツ・ゴー)」を開始すると発表した。大学内でのカーシェアサービスの提供は県内で初となる。
シェア可能な車両は、トヨタ製の「ヴィッツ」と「ヴォクシー」の2台で、大学の食堂横の駐車スペースに設置される。予約や決済はスマートフォンの専用アプリから可能だ。移動エリアや距離に制限はなく、同大学の学生・職員であれば平日・休日を問わず利用できる。料金は15分150円からで、72時間以内に元のスペースに返却する。
本サービスは、運転免許を取得していながら、車を所有しておらず校外学習などの遠出に不自由している学生のため、同大学がネッツトヨタ山形と共同で企画した。学生を対象に実施したアンケートでは、画材などを持って徒歩や自転車で移動する際に不便を感じるという声が複数あったという。
シェアできる車両も、小回りが利きペーパードライバーでも運転しやすい「ヴィッツ」、荷物を多めに積み込めるワゴン車の「ヴォクシー」と、学生の需要を考慮して選定されている。
21日に開かれた記者会見では、同大学の中山学長が本サービスを活用し、行動範囲を広げて見聞を深めてもらいたいという主旨の希望を語った。運用の開始は今年5月を予定している。
交通手段に乏しい地方では学生向けにカーシェアの需要があり、筑波大学や群馬大学など、複数の大学が学内関係者専用のカーシェアリング・サービスを運営している。若者の車離れが進む昨今。学内カーシェアは業界の活路となるかもしれない。