(出典:大日本印刷株式会社)
大日本印刷株式会社(以下DNP)は、2025年6月より、マンションや集合住宅を対象としたカーシェアリングサービスを開始する。カーシェアシステム「Citrus Smart Cars」を活用し、住まいに直結した新たな移動インフラの構築を目指す取り組みである。また、本事業は2025年6月に東京ビッグサイトで開催される「住まい・建築・不動産の総合展 BREX」にて紹介される。
本サービスの最大の特長は、マンションや集合住宅の敷地内またはその近接地にカーシェア車両を設置する点にある。従来のカーシェアは専用ステーションまで移動する必要があり利便性の面で課題があった。しかし、今回の取り組みにより居住者は自宅の延長線上で車を借りることが可能になり、生活動線に無理のない利用環境が整えられる。そしてスマートフォンによる予約や解錠などの手続きも簡便で日常的に利用しやすい仕組みとなっている。
都市部では駐車場不足や車の維持費が重くのしかかる一方で、必要なときだけ使えるカーシェアの需要が高まっている。また、車を保有せずとも便利に生活できる環境を求めるライフスタイルの変化も後押しとなっており、こうした背景から住まいと移動手段をシームレスにつなぐ本サービスは今後の集合住宅の新たな標準機能として期待されている。
DNPはこれまで、デジタル観光マップや交通サイネージなど、地域と移動に関する情報基盤づくりを進めてきたが、今回はそれを生活者の足元にまで展開する形となる。カーシェアを単なる交通手段ではなく、居住価値の一部として提案することで、住環境そのものの利便性を高める狙いがある。
今後は、住宅メーカーや管理会社、デベロッパーとの連携を深め、全国の集合住宅への導入を進めていく。また、自動車用デジタルキーや建材事業などとの連携により、スマートな住環境づくりを一体的に支援する体制を構築する予定である。