(出典:株式会社AlbaLink)
マンション住民の間で、自動車を共有設備として活用したいというニーズが高まっている。株式会社AlbaLink(東京都江東区)が466人を対象に実施した調査によると、「マンションでシェアできたら嬉しい設備」として、自動車は7位にランクインした。背景には、車の所有に伴う費用負担や使用頻度の低さがある。
(出典:株式会社AlbaLink)
回答者からは、「車は便利だが維持費がかかる」「駐車場の台数に限りがあるため、カーシェアがあれば“持たない選択”ができる」などの声が寄せられた。特に都市部では、車の購入に加え、月々の駐車場代、車検・保険料などのランニングコストが家計を圧迫する。加えて、利用機会が週末や悪天候時に限定される家庭も多く、個人所有の合理性が揺らいでいる。
カーシェアがマンション内で利用可能になれば、必要なときだけ手軽に車を使える環境が整う。住民にとってはコスト削減と利便性向上を両立でき、使われないまま放置された車両による駐車場の無駄も減らせる。また、カーシェア事業者が運営管理を担うことで、住民のメンテナンス負担が軽減される点も評価されている。
(出典:株式会社AlbaLink)
一方で、共有設備としての自動車利用には、一定のルール整備が求められる。調査では「事前予約制にする」「利用時間を制限する」「利用後は清掃・点検を徹底する」といった管理面への意識も高く、「マナー違反や占有を防ぐため罰則を設けるべき」といった意見もあった。安心・公平に利用できる仕組みが、今後の普及の鍵となる。
高額かつ使用頻度が限られる設備こそ、シェアによる合理化が進む余地が大きい。カーシェアはその典型例であり、今後のマンション設計や設備導入のあり方に影響を与える可能性がある。