株式会社富士経済は、モビリティーサービスの国内市場が2030年に1兆4858億円になるとする予測を発表した。これは、2020年度比で59・8%増となる計算。
調査結果によると、カーシェアや配車サービスや、MaaSプラットフォーム事業が大きく伸びると予想できるという。
カーシェアについては、現状レンタカーやコインパーキングの占める割合が高いものの、今後の拡大が見込まれており、2030年には15%以上を占めると予想される。また、配車サー ビスは認知度の向上により、順調に伸びると期待されている。
また、カーシェアサービスの普及により、車両付帯サービス市場も拡大すると考えられる。具体的には、2020年度比で5倍の477億円を見込む。特に自動車サブスクリプションサービスは、申し込みから契約までをWeb上で完結できる利便性の高さから、若年層を中心に利用が増えているという。
複数の交通サービスの経路検索、予約・決済のサービスを提供するMaaSプラットフォームなどの市場は、2030年に2337億円に拡大するとの予測。これは2020年度比で584倍となる。現状では新型コロナウイルスの影響が市場拡大を妨げているが、感染が落ち着くであろう23年以降には成長するという見通し。
各公共交通事業者が将来的な人口減少による移動総量縮小への対策として、移動をシームレスにして新たな需要を生み出すツールとしてMaaS事業に取り組んでいる。
MaaSでは、ユーザーの移動経路の提案をすることで、移動手段や目的のデータを取得できる。それを利用して自治体の街づくりや出店計画、広告プロモーションなどに活用できるため、 新たなビジネスの創出が期待されている。
多くのMaaSプラットフォームでは、複数の目的地を選択して最適な旅程を案内したり、複数の交通手段を組み合わせた経路も検索可能だったりと、ユーザーに合わせた柔軟なて提案が可能。このように、利便性が向上することにより、さらに利用者は増えると予想されている。