株式会社J.D. パワー ジャパンは、2024年レンタカーサービス顧客満足度調査の結果を公表した。この調査は、レンタカーサービスの顧客満足度を「大手レンタカー部門」と「バリュー&エコノミー部門」に分けて測定し、それぞれの部門での満足度スコアを算出する。結果として、大手レンタカー部門の満足度スコアは713ポイント、バリュー&エコノミー部門のスコアは696ポイントとなった。
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ファクター別の評価では、料金に関してバリュー&エコノミー部門が大手レンタカー部門を27ポイント上回るものの、サービスメニューや車両の品質においては大手レンタカー部門が50ポイント近く上回ることが示された。特にサービスメニューの車種ラインナップや店舗の利便性、車両の外装や内装の品質、カーナビの最新性等が大手レンタカー部門で高く評価されている。レンタカーの主な利用目的は、どちらの部門も旅行が50%以上となっている。
EV(電気自動車)のレンタルに関する調査では、EVの所有者は2%、EVに乗ったことがある方は28%、一度も乗ったことがない方は70%となり、レンタカー利用者の多くはEVの利用経験がないことが分かった。
また、充電インフラや充電時間に関する不安も顕著であることが判明した。レンタカーやカーシェアでのEV利用時の主な懸念点としては、「充電スポット/スタンドの場所や数」と「充電にかかる時間」が共に47%で最も多く、次いで「充電方法」が41%となっている。特に、長時間または長距離の利用が考えられるレンタカーサービスにおいて、これらの充電に関連する問題は、EVのレンタルを躊躇させる大きな要因となっている。
さらに、EVのレンタルに対する不安は、20代以下の若年層に比べて60代以上のシニア層でより顕著であることが指摘されている。シニア層ではエコカーへのニーズが高い一方で、EVに対する不安が利用を躊躇させているという状況がある。
この調査結果からは、レンタカーサービス業界におけるEV普及のための障壁として、充電インフラの整備が急務であることが示されている。急速充電器を備えた公共スタンドの拡充などにより、EVの乗車機会を増やすことがEV普及の促進につながると考えられる。
総合満足度ランキングでは、大手レンタカー部門ではタイムズカーレンタルが、バリュー&エコノミー部門ではバジェット・レンタカーがそれぞれ第1位に輝いた。これらの結果は、レンタカーサービス提供企業にとって重要な顧客満足度向上の指標であり、今後のサービス改善に役立つだろう。J.D. パワーによる本調査は、レンタカーサービス業界の顧客満足度の向上に貢献し、EV普及のための課題を指摘するものである。