一般社団法人レンタカー協会では、2024年3月末時点での大手レンタカー会社7社の車両保有台数の調査結果を公表している。今回はこのデータをもとに、レンタカー業界の現状について簡単に紹介する。
交通毎日新聞社が調査したデータによれば、2024年3月末時点での大手7社のレンタカー保有台数は合計で329,208台。トップのトヨタレンタカーが129,175台、次いで2位のオリックスレンタカーが69,826台、3位のニッポンレンタカーが34,519台、4位のタイムズレンタカーが63,180台(※)、5位の日産レンタカーが20,582台、6位のジャパンレンタカーが8,416台、7位の三菱レンタカーが3,510台だった。
(※タイムズレンタカーはカーシェアの台数を含む。)
直近2年間での車両保有台数の推移を見ると、2022年から2023年の1年間で全社合計で約5.08%増加した。その中でトヨタレンタカーは3,617台増加し、一方でジャパンレンタカーは259台、三菱レンタカーは222台減少した。
車両の種類別では、乗用車の保有台数が最も多く、全社合計で200,594台となっている。貨物車は52,692台、マイクロ車は1,742台、その他の車両は11,000台である。乗用車は前年度より約3.89%の増加が見られた。その他の車両も約3.16%増加したが、貨物車とマイクロ車はそれぞれ約0.8%増、約0.5%増と、比較的少ない増加であった。
直近3年間の車両台数推移を見てみると、2022年と比べて保有台数が減少したのは三菱レンタカーのみであり、他6社はの保有台数は増加している。中でも2022年から2024年までの間で保有台数の差が大きいトヨタレンタカーとタイムズレンタカーはそれぞれ約15.6%増加、約21.1%増加していることがわかる。
また、すべての種類の車両の保有台数が増加し、特に乗用車は昨年に続き増加傾向にあり、2022年から2023年の間には2.7%減少していたマイクロ車も、今期は0.5%増加している。
円安の傾向やインバウンド観光客の増加により、日本の旅行市場がコロナ禍前の水準に戻りつつある。この好況は、レンタカー業界にも大きな影響を与えている。コロナ禍により2021年にはレンタカーの保有台数が急激に減少したが、2022年には回復の兆候が見られ、2023年から2024年にかけてさらに増加した。
近年ではレンタカーだけでなく、シェアサイクリングや電動キックボードなど、多様なサービスが人気を集めている。旅行業界全体が復興し、人々の移動需要が増加している中で、レンタカーは依然として重要な役割を果たしている。