2024年3月16日に北陸新幹線の福井・敦賀延伸開業が行われ、福井県への注目が高まっている。この新しい交通の便により、坂井あわらエリアへの訪問者が増加することが予想される中で、地元の坂井市役所は、来訪者向けの二次交通手段としてラグジュアリーカーシェア実証事業を開始した。この事業は2024年3月9日から4月30日までの期間、外国製高級車のレンタルサービスを提供している。
事業の主な目的は、単に移動手段を提供するのではなく、地域の周遊を促進し、来訪者の滞在時間を延長させることによって、観光体験の満足度を向上させることにある。提供される車両はBMW X1、Audi A5 Sportback、MINI CROSSOVERの3種類で、料金はそれぞれ18,000円、15,000円、12,000円であり、保険料も含まれている。利用希望者はカーシェア&レンタカーサービスアプリ「エニカ(Anyca)」を通じて簡単に申し込むことができ、事前にエニカへの会員登録が必要となる。
車両の受け渡し及び返却はJR芦原温泉駅やえちぜん鉄道三国駅の観光案内所で実施され、貸出時間は24時間、受付時間は9時から17時までの8時間に限られる。この実証事業は、坂井・あわらエリア周遊滞在型観光推進協議会が主催し、AOIホールディングス株式会社や株式会社三丹本店が協力している。
坂井市は越前加賀海岸国定公園に含まれる美しい海岸線や、福井県一の米どころとして知られる広大な田園地帯、三國湊や丸岡城などの歴史的な建造物が多数存在する。また、越前がにや甘えび、丸岡産のおろしそばなど地元の食文化も観光客にとっての魅力の一つである。さらに、越前織や一筆啓上賞など伝統的な技術産業や文化も盛んである。
このように、坂井市は豊かな自然や文化、食を楽しむことができる地域であり、ラグジュアリーカーシェア実証事業はその魅力をより深く体験するための一つの手段である。期間限定のこの事業を通じて、地域の観光振興と来訪者の満足度向上が期待される。