(出典:Waymo公式サイト)
今後、自家用車の利用率は徐々に低下するとされている。次世代モビリティの研究を行う「McKinsey Center for Future Mobility(MCFM)」によれば、世界の交通機関のうち自家用車が占める割合は、自動運転タクシーの普及に伴い、10年後に30%を割るという。
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2021年、自家用車の利用率は45%であったが、2035年には29%にまで低下するというのだ。一方、自動運転タクシーの利用率は現在はほぼゼロだが、2035年には8%まで増加すると試算されている。また、スクーターや自転車などのマイクロモビリティの利用率も微増する見込みだ。
では、なぜ自動運転タクシーの普及により、自家用車の利用率が低下するのか。自家用車は移動以外の時間は駐車しておくしかない。一方、自動運転タクシーは人件費がかからず、メンテナンス時間を除けば24時間稼働可能なため、運賃は現在のタクシーより安くなると予想されている。つまり、将来的には自家用車の維持コストより安くなる可能性が高いのだ。
自動運転タクシーはすでに、世界で実用化が進んでいる。Google系の自動運転開発企業Waymoが米国で自動運転タクシー商用サービス「Waymo One」を開始したのを皮切りに、米ゼネラルモーターズ傘下のCruiseや中国の百度(Baidu)、自動運転スタートアップのPony.ai(小馬智行)なども続いている。
(出典:Waymo公式サイト)
こうした自動運転タクシーの普及は、クルマ関連ビジネスモデルに大きな影響を与えるだろう。自家用車の利用率や所有率が低下することは、自動車メーカーを含めた関連企業にとって、既存のビジネスモデルを見直さなければならない。未来の変化を見据え、対策を早めに立てることが求められている。