(出典:岐阜市公式サイト)
岐阜市は、持続可能な公共交通ネットワークの構築に注力している。人口減少と高齢化が進行する中で、公共交通における運転手不足や安全対策が重要な課題となっており、これに対処するため自動運転技術の導入を進めてきた。そしてついに、2023年11月25日より、中心市街地で自動運転バスの毎日運行を開始すると発表した。これは全国初の試みだ。
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自動運転バスは、岐阜駅から市役所、さらに岐阜公園や川原町などの観光地を結ぶルートで運行される。運賃は無料で、5年間で約15万人の利用が見込まれている。定員は10人。原則予約制で、LINEや電話で行うことができる。特に岐阜駅と市役所を結ぶ中心部ルートは、毎日12便が運行され、岐阜公園ルートは土日祝日に3便が設定されている。
市は2019年から自動運転の実験を重ね、技術の向上を図ってきた。昨年までの停留所は1か所だったが、11月から9か所に増やすとしている。自動運転はレベル2で、ハンドルと加速・減速を自動で制御し、乗務員が信号や障害物に応じて操作する。今年度の道路交通法改正で、特定の条件下であれば運転手なしでも走行可能となる自動運転レベル4も可能となったため、市は今後、5年間の運行期間中にこれを導入する計画だ。
自動運転バスの運行開始にあたって、信号情報に連動してバスを運行する装置をルート上の15カ所に取り付ける。さらに、交差点付近の車の位置を赤外線レーザーで感知し、バスの右折を自動化する技術も導入される。運行や施設整備費は1億8千万円で、全額が国の補助によって賄われる。
この取り組みは、公共交通を利用する市民や観光客に対し、便利で安全な移動手段を提供できる。また、運転手不足の解消や、安全対策の強化にも寄与すると期待されている。岐阜市は、今後も「自動運転バスがいつも走っているまち」を目指し、持続可能な公共交通の実現に向け取り組みを続けるとしている。