(出典:アイサンテクノロジー株式会社)
高田松原津波復興祈念公園およびその周辺市街地で自動運転走行実証実験を実施することが発表された。岩手県陸前高田市の委託を受けた7社が参加し、2023年9月1日から9月30日までの間、本走行を開始する。
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本運行では、2023年2月から3月に実施した自動運転走行実証実験のルートに加え、陸前高田市街地までルートを拡大するほか、土日祝日にはパークガイドが車両に同乗し、点在した東日本大震災に関連する施設を紹介する便も運行する。これまでの、祈念公園内での観光サービスとしての限定的な実装に加え、まちなかでの実装も行い、両面からの課題抽出と受容性の調査を重視する。今後は、公園内での実証結果や技術を活用し、市内生活路線への展開を進め、地域コミュニティの形成や地域生活の足の確保に向けた検討を進める予定だ。2025年度には本格運行開始を目指している。
(出典:アイサンテクノロジー株式会社)
自動運転走行ルートは、10名乗りのEVバスを用い、最大速度時速20km未満で運行する。非遠隔型自動運転を採用し、ドライバーが運転席に乗車する。平日は巡回運行で誰でも乗車可能であるが、土日祝の一部時間帯は予約制となる。
本プロジェクトに参画する企業として、復建調査設計株式会社、一般社団法人陸前高田市観光物産協会、アイサンテクノロジー株式会社、株式会社ティアフォー、損害保険ジャパン株式会社、KDDI株式会社、株式会社スリードが名を連ねている。
本運行は、地域振興と技術革新を両立させる意義深いプロジェクトであると言える。観光資源の活用と地域課題の解決を目指し、自動運転技術の実社会への適用により、新しい地域づくりの方向性を示すものと期待される。