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株式会社JTB総合研究所とCint Japan株式会社は共同で「旅マエ~旅ナカにおける訪日旅行者の行動変化と持続可能な観光への意識調査」を実施した。訪日旅行者の情報収集や行動パターンの変化、持続可能性に関する意識はどのようなものだろうか。
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調査はインターネットアンケートを用い、2023年9月7日から19日にかけて実施された。対象は13か国、5991名の18~79歳の男女で、過去1年以内に海外旅行経験があり、訪日経験がある者を含む。対象国はアジアと欧米から選ばれ、それぞれの地域で訪日旅行者数が多い国が選定された。
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調査の結果、訪日旅行者の約8割は旅程を「旅マエ」にほぼ決定しており、旅程の決定割合は旅行日数が長くなるほど僅かに下がる傾向であるが、大きな違いはなかった。旅先での行動や情報収集のパターンも注目され、序盤は旅行先での生活の整理、中盤は短時間の体験、終盤は土産物の購入場所に関する情報が主であることが明らかになった。
また、日本国内での移動・滞在パターンは、首都圏滞在型、近畿滞在型、首都圏-近畿-首都圏型がTOP3であった。国や地域によって特色もあり、例えば韓国人旅行者は九州滞在型が、タイや台湾の旅行者は北海道滞在型が多い傾向にあった。
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持続可能な観光に対する意識についても調査が行われた。訪日旅行者は、食品ロスの削減やレンタカーのEV車の利用、環境負荷の低い交通手段の選択など、環境保護への意識が高まっている。旅行商品や宿泊施設も、SDGsや環境保全に取り組んでいるかどうかが、選ばれる基準として重要になっているようだ。
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本調査は、訪日旅行者の行動や意識に光を当て、持続可能な観光の推進や観光産業の発展に資する貴重なデータを提供している。これらの情報を基に、観光地や事業者は、旅行者のニーズに適した情報提供やサービスの充実、環境保護への取り組みを進めることで、より魅力的な観光地づくりと持続可能な観光の実現に寄与できるだろう。